『多動力』 堀江貴文
僕は昔からホリエモンのリベラルでフラットで現代っ子っぽい感じが結構好きだった。久しぶりにホリエモンの本『多動力』を読んだが、良著!
ビジネス書としても有効だけど、人生論としても読む価値がある。
「多動力」とは何か。それは、いくつもの異なることを同時にこなす力のことを言う。(冒頭)
ホリエモンの一般的なイメージはどんな感じなのだろうか?堂々としてる、歯に衣着せぬ発言、たまに炎上したりなんだりしてるけど飄々としている、あるいは時に子供のようにアツくなってケンカしてる、何か色んなことめちゃくちゃにやって成功したり失敗したりしてる…など?
それはまさしくその通りであることが分かり、「なぜそうなのか?」もきちんと裏付けが書かれていてとても面白い。
書かれていることは、
・ネットやスマホで死ぬほど便利な世の中になって効率化してるの最高だろ
・文化とか慣習とか無視しろ、やりたいことをやれ、やりたくないことはやるな
・常識にとらわれるな
・仕事は効率厨になるべし
・考えるより先にとにかく色んなことじゃんじゃかやれ
・我慢せずシンプルにおもしろいことやりまくろう
みたいな感じかな?
ただ、「とは言っても社会人は…」みたいな現実的な反論への反論も試みているけど、本当に書かれている通りのことを社会人がそのままやったら平均的な能力の人は排除されるだろう笑
ホリエモンは地頭が優秀なので一瞬で大量に行うアウトプットの水準も高く価値があるが、凡庸な人の凡庸なアウトプットを自分本位に好き放題推し進めて挑発的な態度を取ったりしたら火だるまになって終わる(笑)
僕はもともと思想的な共感があるので反発心なくスルスルと読み、刺激にもなったが、道徳とか礼儀とか慣習とかを大事にする古き良き(?)日本人が読んだら卒倒してしまうかもしれない。
テクニックが丁寧に書かれているハウツー本ではなく、重苦しい空気を吹き飛ばしてくれるような、軽やかで元気でちょっと過激で、とても現代的な思想が書かれています。
『社長の手帳』 佐藤満
『出世の法則』は酷評してしまったが、佐藤満先生『社長の手帳』は良かった。
ホンダ、トヨタをはじめ多くの成功者や思想家の箴言的なものを集めて先生から一言コメントって感じなんだけど結構幅広い業界から言葉を集めているしいずれも本質的でよい。ビジネスパーソン向けだと思うが人生訓も多くあり、少し賢い中学生ぐらいにも良かもしれない。著者はかねてから「これは!」と感銘受けた言葉があると手帳に綴って反芻していたよう。今話題の電通からはかの有名な電通鬼十則も紹介されてます(笑)いや、あの事故はともかくとして、あそこまで超体育会系ぶっちぎって明文化までしてること自体はとてつもないエネルギーだと思うけどね。
さて現代は言わずもがな情報化社会であり、キュレーション全盛を経て最近ではキュレーションサイトが糾弾され始めている。「自分にとって」重要な情報を、情報の波に押し流されないようにちゃんと保持して血肉とすべく反芻するのは思ってる以上に重要なことかもしれぬ。
『出世の法則』 佐藤満
捨てられそうな本をもらってきて積読していた本。意を決して読んだが、内容が薄い。他人のせいにして腐っていても何も良くならないから、環境の不遇等も自己責任論で回収してしまって高い意識で生きれば成功するという論旨だが、そんなことは今や誰でも知っているし、それができれば苦労しない(笑)
似たようなメソッドが2-3ページ程度で経験則とともに語られてるけど、説得するに足る力があるエピソードでもないし、「かもしれない」とか「思う」みたいな歯切れの悪い表現も多い。良く言えば謙虚だが、リーダーシップが感じられずついて行けない!(笑)
個人的に役に立ったのは
『手段ばかりが上達しても自分の目標や目的が明確でなければ行動できない』
の一文。手段の上流である目標、目的はついつい忘れがちなので意識してかねば。